現在の強化スケジュール帳は、18歳以上の方を対象にしています。18歳未満の方がご利用される場合は、保護者の方が先に使い方を理解し、お子様の生活に合わせてご指導ください。
スケジュール手帳の置き場所を決める
●最初のステップは最も重要です!
今日から、あなたはこのスケジュール帳を毎日使います。このスケジュール帳はあなたのコーチです。そして毎日の最初のステップは、この手帳を開くことです。最初のステップがうまくいくと、それ以降の流れはスムーズに進みます。
だだし、あなたにはこのスケジュール帳を開くきっかけが必要です。このスケジュール帳が、自然に、強制的に、否応なしにあなたの目に入ってくれば、あなたはきっとこのスケジュール帳を開くでしょう。
●このスケジュール帳の置き場所を決めてください!
自宅、職場(または学校)でこのスケジュール帳を置く場所です。
置き場所が適切であれば、あなたの願いである、生きにくさを解消し心地よい生活を送ることは、ほぼ確実に叶うでしょう。このスケジュール帳が毎日あなたをコーチしてくれます。
●この手帳を開くのはあなたしかいません!
スケジュール帳には足が付いていなし、自動開閉装置も付いていません。置き場所が決まっていないと、あなたはスケジュール帳に気づきません。それがスケジュール帳が役に立たない最大の原因です。
あなたのお楽しみを知る

●行動を自発するには、行動後の自分へのご褒美が必要です!
人が行動を自発するには、行動後に得られる快となる刺激が必要です。そんな刺激のことを行動分析学では強化子(きょうかし)といいます。普通の言葉で言うと、お楽しみとか自分へのご褒美ですね。このスケジュール帳では「お楽しみ」と呼ぶことにします。
「お楽しみが無くても行動できる」とか、「私は仕事が好きだ」と言う人がいますが、そんな迷信には耳を傾けないでください。例え仕事が好きでも無給で働く人はいません。
●予定表を書くと行動に繋がるは、半分正解、半分間違い。
やりたくない行動でも、予定表に書いておくと、行動しやすくなります。そんな人の頭の中には、「それが終わったら自分にお楽しみが訪れる」と自動的に無意識にイメージが湧いています。それがモチベーションなのです。
しかし、発達障害の傾向がある人には、無意識にはお楽しみのイメージが湧いてきません。やりたく無い行動は、予定表に書いても、やりたく無い行動に変わりはありません。だからお楽しみも予定表に書いてください。お楽しみが書いてあると、それが行動のモチベーションになります。
●あなたのお楽しみをたくさん知ってください。
お楽しみとかご褒美というと、少ししか出てこないと思います。固く考える必要はありません。お楽しみリストのページの指示に従って、表に書き出してください。それがあなたのお楽しみのレパートリーなのです。
スケジュール表(1日)の使い方
予定や仕事が発生したら、直ぐにスケジュール帳に記入しましょう。

予定が入った時
- 当日スケジュール表の行動予定欄に内容を記入。
- 時刻が決まっているなら、その時間帯の所に記入。
- 既に行動予定が入っていたら、その行動予定を他の時間帯にずらす。
- 時刻が決まっていないなら、空いている時間帯の所に記入。
- その日の最も重要な予定であるならば、週間イベント表と当日スケジュール表のメインイベント欄に内容を記入。
締切のある仕事が発生した時
- 締切の日の当日スケジュール表の締切欄に内容を記入。
- その仕事の作業量を見積もる。例:4時間。
- 休日を除き、あと何日残っているかを知る。例:あと6日。
- 作業量を残り日数で割り、切上げる。例:4÷6=0.67 → 1
- 1日の作業量と日数を知る。例:1日1時間で4日間。合計4時間。
- その仕事をする日を決める。日にちの割振は、ほぼ均等に。
- 当日スケジュール表の行動予定欄に、その仕事をする時間帯を決めて仕事内容を記入。
- 日数の数だけ記入を繰り返す。
朝起きた時
- 当日スケジュール表の内容を確認する。(記入はしない。)
- スケジュール帳を通勤カバンの中に入れる。
※ 休日の場合は、スケジュール帳を開いたままにしておく。
1週間の仕事が始まる時
場所:自分の仕事机
- 週間イベント表、当日スケジュール表を見て、その週の予定を確認。
- 毎日の重要予定を決め、週間イベント表のメインイベント欄に記入。
- その週のお楽しみを決め、週間イベント表のお楽しみ欄に記入。
1日の仕事が始まる時
場所:自分の仕事机
- メインイベント欄に当日の最も重要なことを記入。
- 行動予定表を埋める。
- 起床、食事、通勤、入浴も記入。
- 仕事だけでなく、余暇の内容も記入。例:ゲーム。
- 1時間を超える空白は残さない。
- お楽しみ欄に、仕事後の楽しみな活動を記入。
- 一番上の[開始]に丸を付ける。
※ 休日の場合は、この作業を朝食の直後に行う。
1日の中で
- 1つの行動予定が終わった時:その行動予定の右欄に○を付ける。途中切上げは△、着手せずは×。
- 行動予定に変更が必要になった時:行動予定とその時間帯を書き換える。
- 1日の仕事が終わる時:△と×がついた行動予定を、明日以降に計画し行動予定欄に記入。一番上の[終了]に丸を付ける。
- 帰宅した時:当日スケジュール表を開いて、所定の置き場所に置く。
- 寝る前:明日のお楽しみを考えておく。そして、スケジュール帳を閉じる。
休日の利用
- 平日と同じように使う。
※ 外出する時は、スケジュール帳は自宅に置いておく。
やらなくても良いこと
- 今日起こったことを書き出す必要はありません。このスケジュール帳は日記ではありません。
- 過去を振り返って読む必要はありません。同じ週の過去は自然に目に入るのでそれで十分です。
- 目標を記入する必要はありません。目標は別の方法で達成を目指してください。
- 出来なかった事を後悔する必要はありません。出来る方法を考えて、次回にそれを行動に移してください。
やってはいけないこと
- 完了しなかった行動予定に完了の○印をつけてはいけません。自分に正直になりましょう。
- 過去の日付のところに記入してはいけません。未記入も正直に受け入れてください。
- 今の仕事量を超える行動予定を書いてはいけません。頑張ってできたとしても、すぐに破綻します。
- 出来なことが分かっている行動予定を書いてはいけません。出来ない物事は、記入しても出来るようにはなりません。
何日も使わなかった後で、使用を再開する時
- 使うことを再開する気持ちになった自分を褒めましょう。
- 過去の全ての当日スケジュール表の[終了]に○をつける。([開始]は何もしない。[開始]は○のない状態で残しておく。)
- スケジュール表の使い方をもう一度読む。
- 読んだ通りに使っていく。
再開時にやってはいけないこと
- カレンダー、週間イベント表、当日スケジュール表の全てにおいて、過去の日付の箇所には、何も書き足してはいけない。
- 何日も使わなかった自分を責めてはいけない。
ご質問
ご質問は、Q&Aサポートをご利用ください。どんな些細なことでも遠慮なくご質問ください。